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「SoftBank Air」の解約までの費用をレンタルと買取りで比較してみる

SoftBank Air」を契約してから解約するまでの費用を、レンタルの場合と買取りの場合で比べてみる。
「SoftBank Air」自宅だけど無線で高速インターネット

SoftBank Air」を契約するにあたり、レンタルと買取りどちらが得か。
某所で話題になっていたので計算してみた。

SoftBank Air」の料金体系

SoftBank Air」は、契約時に3,000円の契約事務手数料がかかる。
専用接続機器「Airターミナル」をレンタルで利用する場合、Yahoo! BB基本サービス(スタンダード)で、最初の24ヶ月は月額4,186円、その後は4,986円。
分割払いで買い取る場合、同じくYahoo! BB基本サービス(スタンダード)で、最初の24ヶ月は月額3,696円、その後は4,496円。
2年縛りがあり、契約満了月以外で解約した場合、「SoftBank Air」の解除料が9,500円、Yahoo! BB基本サービスの解除料が3,000円かかる。
両方同時に解約した場合の解除料の上限は10,000円とされている。

専用接続機器「Airターミナル」は、一括購入価格40,800円だが、24回分割(1,700円×24回)で購入可能。
2年完走すれば分割購入代金は月月割で相殺され、実質0円となる。

計算してみた

2015年3月に「SoftBank Air」をYahoo! BB基本サービス(スタンダード)で申し込んだものとして、契約から解約時までにかかる費用の累計額を計算した。
申し込んだ2015年3月は無料で利用でき、翌月の4月が課金開始月として計算している。
オプションの類はなし。
解約時には「SoftBank Air」だけでなく「Yahoo! BB基本サービス」も解約するものとして、解除料は10,000円で計算した(実際には「Yahoo! BB基本サービス」は解約する必要はない場合がある)。

たとえば「12月目」の場合、12月目の2016年3月に解約するまでの費用総額を示している。
レンタルで12月目に解約した場合、初期費用3,000+月額料金4,186×12月+解除料10,000円で合計63,232円。
買い取りで12月目に解約した場合、初期費用3,000+月額料金3,696×12月+解除料10,000円に加え、接続機器の分割代金残額(1,700円×12月)を一括精算しなければならない。合計77,752円かかる。
「1月あたり」は、解約までの費用総額を15年4月を1月目として単純に割ったものである。
買取りよりレンタルの方が総額が安い場合は「レンタル有利」に差額を記載している。
レンタルより買取りの方が総額が安い場合は「買取有利」に差額を記載している。
なお、価格はすべて税抜表示。
丸め処理はいい加減なので、実際に税込価格を計算するときは総額に単純に税率を乗じないでくださいね。

  解約 レンタル レンタル レンタル 買取 買取 買取
年月 総額 1月あたり 有利 有利 総額 1月あたり
  1月目 15/04  \17,186  17186 \38,610    \55,796  55796
  2月目 15/05  \21,372  10686 \36,420    \57,792  28896
  3月目 15/06  \25,558   8519 \34,230    \59,788  19929
  4月目 15/07  \29,744   7436 \32,040    \61,784  15446
  5月目 15/08  \33,930   6786 \29,850    \63,780  12756
  6月目 15/09  \38,116   6353 \27,660    \65,776  10963
  7月目 15/10  \42,302   6043 \25,470    \67,772   9682
  8月目 15/11  \46,488   5811 \23,280    \69,768   8721
  9月目 15/12  \50,674   5630 \21,090    \71,764   7974
 10月目 16/01  \54,860   5486 \18,900    \73,760   7376
 11月目 16/02  \59,046   5368 \16,710    \75,756   6887
 12月目 16/03  \63,232   5269 \14,520    \77,752   6479
 13月目 16/04  \67,418   5186 \12,330    \79,748   6134
 14月目 16/05  \71,604   5115 \10,140    \81,744   5839
 15月目 16/06  \75,790   5053  \7,950    \83,740   5583
 16月目 16/07  \79,976   4999  \5,760    \85,736   5359
 17月目 16/08  \84,162   4951  \3,570    \87,732   5161
 18月目 16/09  \88,348   4908  \1,380    \89,728   4985
 19月目 16/10  \92,534   4870     \810  \91,724   4828
 20月目 16/11  \96,720   4836    \3,000  \93,720   4686
 21月目 16/12 \100,906   4805    \5,190  \95,716   4558
 22月目 17/01 \105,092   4777    \7,380  \97,712   4441
 23月目 17/02 \109,278   4751    \9,570  \99,708   4335
 24月目 17/03 \103,464  4311   \11,760  \91,704  3821
 25月目 17/04 \118,450   4738   \22,250  \96,200   3848
 26月目 17/05 \123,436   4748   \12,740 \110,696   4258
 27月目 17/06 \128,422   4756   \13,230 \115,192   4266
 28月目 17/07 \133,408   4765   \13,720 \119,688   4275
 29月目 17/08 \138,394   4772   \14,210 \124,184   4282
 30月目 17/09 \143,380   4779   \14,700 \128,680   4289
 31月目 17/10 \148,366   4786   \15,190 \133,176   4296
 32月目 17/11 \153,352   4792   \15,680 \137,672   4302
 33月目 17/12 \158,338   4798   \16,170 \142,168   4308
 34月目 18/01 \163,324   4804   \16,660 \146,664   4314
 35月目 18/02 \168,310   4809   \17,150 \151,160   4319
 36月目 18/03 \173,296   4814   \17,640 \155,656   4324
 37月目 18/04 \178,282   4818   \18,130 \160,152   4328
 38月目 18/05 \183,268   4823   \18,620 \164,648   4333
 39月目 18/06 \188,254   4827   \19,110 \169,144   4337
 40月目 18/07 \193,240   4831   \19,600 \173,640   4341
 41月目 18/08 \198,226   4835   \20,090 \178,136   4345
 42月目 18/09 \203,212   4838   \20,580 \182,632   4348
 43月目 18/10 \208,198   4842   \21,070 \187,128   4352
 44月目 18/11 \213,184   4845   \21,560 \191,624   4355
 45月目 18/12 \218,170   4848   \22,050 \196,120   4358
 46月目 19/01 \223,156   4851   \22,540 \200,616   4361
 47月目 19/02 \228,142   4854   \23,030 \205,112   4364
 48月目 19/03 \223,128   4649   \23,520 \199,608   4159

当たり前だが、短期に解約すればレンタルが有利。長期間使うなら買い取りが有利。
18月目、15年3月に申し込んだ場合は16年9月までに解約するならレンタルの方が有利になることが分かる。
19月目、16年10月以降に解約した場合は買い取りの方が有利となる。

最初の一年目はレンタルの方が圧倒的に有利。
一年以内に短期解約する可能性があるならレンタルを選択すべきだろう。

レンタルの場合は24月目、買い取りの場合は24月目と25月目に解約すれば解除料がかからないので、費用総額が安くなっている。
24月目に解約した場合、レンタルは買取りよりも総額で11,760円高く支払うことになる。
2年間完走すると決めているなら、買取りが有利である。
それ以降は加入特典が無くなって料金が値上がりするが、買取りが有利なのは変わらない。
48月目に解約した場合は、レンタルは買取りよりも総額で23,520円高く支払うことになる。

なお、スタンダードではなくて、専用接続機器「Airターミナル」の補償が付くプレミアムプランを契約して24月目に解約した場合の費用総額を計算したところ、103,704円となった。
スタンダードのレンタルで24月目に解約した場合の総額103,464円と240円しか変わらず、ほぼ同等である。
スタンダードのレンタルで2年完走するなら、プレミアムの買取りを選んだ方が得だと思う。

将来自宅で光を引けるようになりますか?

通信業界は日進月歩で、次々と新しいサービスは登場するし、料金もどんどん下がっていく。
来年にもきっと何か新しいサービスが登場するだろうし、新しいものを試したくなる可能性は大いにある。
一般論としては、将来も長期間、同じサービスを利用し続けると決め打ちするのはあまり利口ではない。
特に、用途の限られた高価な専用機器を購入するのは慎重な検討が必要である。

だがしかし。
無線でADSL並みの速度が出てかつ月間利用制限のないサービスは、今後は当分登場しないのではないかと思われる。
ホントはSBとしても無制限はやりたくないだろうが、無制限にしないとADSLユーザーを移行させられないのでやむを得ず無制限にしているのだろう。結果的に、「SoftBank Air」は、本当は光ファイバーを引きたいのに何らかの理由で引けない、光難民が仕方なく選ぶものになっている。
光を引けないところに数年間住み続けることが確定している人の場合は、今後もずっと「SoftBank Air」を利用し続けざるを得ない可能性が高いのではないだろうか。技術の進歩で固定回線の新サービスが登場しても、自宅が進歩しない限りは新サービスを利用できないだろう。
そういう条件のもとでは、買取りを選んだ方が有利になる場合もあるだろう。専用機器も、自宅に置きっぱなしにしている限りは、持ち運ぶモバイルルーターよりは長保ちすると思われる。

逆に、自宅の環境が変化して光を引けるようになった場合は、「SoftBank Air」では満足できず、光を引きたくなる可能性が高い。
今後、自宅で光を引けるようになる可能性がある場合、あるいは光を引けるところに引っ越す可能性がある場合は、短期解約したくなる可能性が高いと思われるので、レンタルを選んでおいた方がよいと思われる。

従量制プランが暴落したらどうしよう

…上で「無制限の新サービスはもう登場しないだろう」と書いたが、気になるのは従量制のお値段が暴落すること。
ベストエフォート110Mbpsで無制限、なんてサービスは当分他では出てこないとは思う。
でも、従量制が下がるかもしれないという予感はある。
MVNOLTEのデータ専用プラン、だいたい月2GBで1000円が今の相場だ。1GBあたり500円。
これ、もしも10分の1に値下がりして、1GBあたり50円になったらどうだろう?
月100GB使っても5,000円ですよ。
絶対あり得ないとは言えない。なんか下げ止まらないんだもん。
もしそうなったら。
据置きの専用機器でしか使えず、持ち運べないくせに2.5Ghz帯で屋内ではつながりにくい「SoftBank Air」なんか解約してモバイルに一本化しちゃおうぜってことになるかも。