周回遅れの日記

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光回線サービス卸の注意点

「ドコモ光」などの、NTT東西のフレッツ光回線のサービス卸について、消費者保護のために重要な点を総務省が注意喚起しています。
総務省トップ > 広報・報道 > 報道資料一覧 > NTT東西による光回線サービスの卸売の提供に伴う消費者向け光サービス提供に当たっての消費者保護のための取組(要請)

こっちの記事の方が分かりやすいかも。
サービス卸の開始で“転用合戦”が必至、総務省が異例の厳戒態勢
光回線サービス卸に乗り換えようと思っている人はぜひ確認しておくべきだと思います。
乗り換えるつもりがない人も、悪質なセールスにだまされないためにチェックしておいた方がいいかも。

利用者への注意喚起

サービス卸を利用した光サービスの転用(NTT東西(注5)の提供する光サービスから卸先事業者の提供する光サービスへの乗換え)の勧誘に際しては、サービスの内容が、利用者が現在利用しているサービスから何も変わらないと誤認することがないよう、以下について十分に注意喚起すること。

  • サービスの提供者がNTT東西から変更されること。
  • 既存のプロバイダー契約の解除申込みが必要な場合にはその旨及び契約解除料が発生する可能性があること。
  • サービスの乗換えにより、メールアドレスが変更となる、これまで利用していたオプションサービスが利用できなくなる等の不利益事項が発生する場合にはその旨。
  • 転用後に、NTT東西のサービスに戻る場合又は更なる別の事業者に乗り換える場合は、卸先事業者との契約を解約し、NTT東西又は当該別の事業者と新規に契約を締結する扱いとなることから、不利益事項が発生し得る(※)こと。

※ 卸先事業者の契約解除料が発生する可能性がある、契約IDが変更となる、工事が発生する、宅内機器を交換する必要が生じる等。更なる別の事業者に乗り換える場合には、これらに加えて、電話番号が変更となる。

総務省トップ > 広報・報道 > 報道資料一覧 > NTT東西による光回線サービスの卸売の提供に伴う消費者向け光サービス提供に当たっての消費者保護のための取組(要請)

サービスの提供者がNTT東西から変わる

サービスの提供者が、NTT東・NTT西から光コラボレーション事業者に変わります。
問い合わせ先や料金の請求も変わることになります。
契約に当たっていろんな事業者が介在することになりますが、サービスを提供するのはどの会社で、仲介するのはどの会社で、キャッシュバックを払うのはどの会社なのか、問い合わせの窓口はどこなのか、契約を解除したいときはどこに言えばいいのか、料金の支払先はどこなのか、消費者が全部きちんと把握しておく必要があります。

これはNTT東日本資料【PDF注意】ですが、西日本の基本的には同じだと思います。

NTT東日本からフレッツ光をご利用中のお客様に対して、光コラボレーション事業者様の提供する光アクセスサービスへの切り替えや「転用承諾番号」の取得をお願いすることはありません。
NTT東日本フレッツ光をかたって、光コラボレーション事業者様の提供する光アクセスサービスへの切り替えや「転用承諾番号」の取得が必要だと説明する、不審な勧誘(訪問営業、電話営業、勧誘メール等)にご注意ください。
(お客様への不審な営業活動例)
・「NTT東日本との提携でフレッツ光から●●への切り替えを案内しています」と案内をうける
・「NTT東日本から依頼を受け、●●地区全体の切り替え工事をしている」と案内をうける

NTT東西から光回線サービス卸の勧誘をすることはない、とのこと。
考えてみれば当然のことで、NTT東西はすべての光コラボ事業者を公平に扱わなければならず、どこか特定の事業者(たとえば、ドコモとかドコモとかドコモとか)への乗換を案内することは許されません。したがって、NTT東西からサービス卸の案内があったら怪しいと決めてかかった方が良いのでしょう。

今までのISP契約の解除が必要な場合がある

例えば、今までOCNと契約していた人が、ドコモ光と契約するにあたり「ドコモnet」にプロバイダを変更する場合は、OCNとの契約解除が必要になります。
解除によって今までのメールアドレスは使えなくなるほか、今までのISPで利用していたさまざまなサービスが利用できなくなるため、その点の対処が必要になります。特に注意するのは違約金で、今までのプロバイダで契約期間の縛りがある場合は途中解約で違約金が必要になる場合があります。その場合には、違約金も考慮して乗換え前後の料金比較を行う必要があるでしょう。

なお、NTT東の期間縛りについて。

NTT東日本の「にねん割」のように違約金を設けた料金割引があるが、サービス卸への転用に関しては「違約金を請求しない方向で検討している」(NTT東日本)という。

サービス卸の開始で“転用合戦”が必至、総務省が異例の厳戒態勢 | 日経 xTECH(クロステック)

「検討している」ということなのでまだ確定ではないですが、フレッツ光を使い続ける限りはNTT東日本からの違約金は生じないようです。

番号ポータビリティの問題

NTT東西から、サービス卸の光コラボ事業者に乗り換えて2年経ったら、またNTT東西に戻したい、と思った場合、2年後にはまた乗換に伴う費用(工事費や初期費用など)や手続が必要になります。
一番重要なのは固定電話の電話番号の問題です。

NTT東西から、光コラボ事業者に最初に乗り換えた時点では、固定電話の電話番号は変更にはならず、同じ番号をそのまま使い続けることができます(番号ポータビリティ)。

しかし、2年後に最初の光コラボ事業者から他の光コラボ事業者に乗り換える場合や、NTT東西との直接契約に戻ろうとした場合には、現状では、電話番号を引き継ぐことはできず、電話番号が変更になってしまいます。

総務省の資料では(2回目の乗換からは)「電話番号が変更となる。」と言い切っちゃってますが、この点は改善されるかもしれません。
…改善されないかもしれませんが。
光コラボ事業者の立場に立ってみると、2回目の乗換からは電話番号を変更しなければならないということはすなわち、1回目の乗換で獲得した顧客を永遠に囲い込めるということに他なりません。そうだすると、番号ポータビリティの改善にはあまり協力的ではないのだろうな、というのはなんとなく想像がつくところです。
現時点では、2回目の乗換の時点で電話番号の変更を強いられることを覚悟して契約するほかありません
まあそうなったらそうなったで携帯電話メインにすればいいや固定電話なんて要らね、と割り切れればたいした問題ではありませんが。

この点を回避するための有力な対策としては、ひかり電話」オプションについてだけ、NTT東西との契約を継続するといういうものがあります。光コラボ事業者が提供しない、提供できないオプションサービスについては、転用後もNTT東西が引き続き提供を継続するものとされています(ただし、現時点では、転用後もNTT東日本ひかり電話オプションの契約を継続できると明記したものは見つかりません)。

悪質な事業者と契約してしまうと大変なことに

2回目の乗換からは固定電話の電話番号を変更しなければならない可能性が高い、という重大な問題があるので、1回目の乗換で悪質な事業者と契約してしまうと大変です。
契約期間経過後に、悪質な事業者から乗り換えようとすると電話番号を変えなければならず電話番号を維持したければ悪質な事業者との契約を継続しなければならないという窮地に陥ってしまいます。
軽率に契約をしないよう注意したいものです。
特に高齢者の世帯は要注意です。
私も親戚が妙な契約をしないかチェックしなければなりませぬ。