周回遅れの日記

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IIJmio、音声通話機能付SIMを提供

MVNOIIJmioが、バンドルクーポンの増量とともに、音声通話プランの提供を発表しました。
「みおふぉん」という命名についてはちょっと耐え難いものを感じてしまうのですが。

1. 音声通話機能に対応したSIMカードの追加
お客様は音声通話機能に対応したSIMカードをご利用いただくことで、国内外の固定電話、携帯電話やスマートフォンとの通話が可能となります。これまでも本サービスと他社のIP電話サービスを併用することで音声通話が可能でしたが、本機能を利用することで警察、消防への緊急通話等が可能となる他、より安定した通話が可能となります。

IIJ、個人向けデータ通信サービスで音声通話機能付きSIMカード(みおふぉん)の提供を開始 | IIJについて | IIJ

堂前さんブログに分かりやすいFAQがあるので、ぜひ一読を。

従来、IIJmioのSIMを挿したスマートフォンではモバイルデータ通信のみが可能で、音声通話はできませんでした。
音声通話も行おうとする場合、通話先や通話品質に制約のあるIP電話サービスを利用するか、あるいはスマートフォンにはキャリアの通話可能なSIMを挿して、別のモバイルルータ等にIIJmioのSIMを挿してWifi接続する必要がありました。

しかし、音声通話に対応したことで、キャリアの通話SIMと同様に音声通話を行うことができるようになりました。安定した音声通話と、MVNOの廉価なモバイルデータ通信を同時に享受できることになったわけです。

とはいえ、正直なところ、価格面でそんなに魅力を感じないのも事実ではあるのですが…
無料通話枠・定額通話プランがないこと、キャリアメールの問題などがあるので、今のところキャリアSIMの代わりにこれを契約する気にはなれません。
無料通話枠・定額通話プランがない分、G-Callや楽天でんわのような発信第三者課金サービスが利用できるかどうかは重要なポイントだと思いますが、利用可能かどうかは「確認中」だそうです。

従来のデータ通信専用SIMとの違い

すぐにはSIMを手に入れることはできない。契約してからSIMを送ってもらう。
[rakuten:dtc:10676891:detail]
音声通話パックも売っているが、店頭や通販でパッケージを購入してもSIMは入っていない。
だからといって音声通話のパッケージが無意味というわけではなく、販売店独自の優待特典を受けたり、販売店のポイントを初期費用に充当するのに使える。
MNP転入する場合はパッケージを買ってはいけないIIJMioに直接申込みのみ)と思われる。
ということは、BIC SIMにMNP転入することはできないということか…

キャリアと同様に本人確認が必要しないと契約できない。

データ通信専用SIMではSMSはオプションだったが、音声SIMではSMSは標準で使える。

契約縛りについて。
データ通信専用SIMでは、「利用開始日の翌月末日まで」の最低利用期間を経過すれば解約できる。解約金等無し。
音声SIMでは、12月未満の短期解約の場合は「音声通話機能解除調定金」が発生する。
解除調停金は1,080円×(12-利用月数)。最大12,960円(税込)。MNP転出手数料は3,240円(税込)。
ちなみに日通のスマホ電話SIMの最低利用期間は5月、解約金は8,000円。

なお、解約ではなく、音声SIMからデータ通信専用SIMへの変更であれば、調定金は発生しない。
IIJmioデータ専→IIJmio音声→IIJmioデータ専はSIM変更手数料2,160円(税込)のみで可能。

音声SIMではMNP転出が可能。
転出先が受け入れてくれるかどうか(MNP転入の特典を受けられるか)は不明。
日本通信お断りの場合はIIJmioもお断りとなるのではなかろうか。

こんな使い途

二台持ちから一台持ちへ、というパターン。
FOMA契約のまま、iモードケータイ(ガラケー)を着信専用として使いつつ、別途購入したスマートフォンMVNOのSIMを挿入して使っている方がいます。
あるいは、スマートフォンにはFOMAのSIMを挿しているものの、別途購入したモバイルルーターMVNOのSIMを挿して、スマートフォンのモバイルデータ通信は切ってもっぱらWi-fiで接続する方もいると思います。
キャリアの電話番号は着信のみとし、通話の発信はIP電話等を利用して通話料をなるべく発生させない使い方です。

現在はこういう形の契約だと思います。
(以下、価格はすべて税抜です。数字の丸め誤差はご容赦を)
FOMA タイプシンプルバリュー 743円
SPモード 300円
パケホーダイ・シンプル 0円
通話料 0円
MVNO SIM 900円程度 月額合計 1,943円程度

4月以降の新プランで、ドコモを解約して、ミニマムスタートプランの音声SIMの契約に変えると、月額1,900円で、スマートフォン一台持ちにすることができます。たいした負担をかけずに、二台持ちの煩わしさから解放されるわけです。
ただし、そんなに安くはならないので、二台持ちが煩わしいと感じない人にとってはあまりメリットがありません。また、キャリアメールは使えなくなってしまいますので、その点はGmail等を使うように適宜処理する必要があります。キャリアメール以外のメールを受信してくれない方とお付き合いがある場合は、どうにもならない場合もありますが。うちの親戚みたいに。

ちょっと事例を変えて、タイプシンプルではなくて、通話のためにタイプSSバリューを契約している人ならどうだろう?
毎月、無料通話分の25分間をぴったり使い切るものとしましょう。
FOMA タイプSSバリュー 934円
SPモード 300円
パケホーダイ・ダブル 372円
通話料 0円
MVNO SIM 900円程度 月額合計 2,506円程度

IIJmioのミニマムスタートプラン、音声SIMで、25分間通話する場合は、
IIJmio ミニマムスタートプラン 1,900円
通話料 25分×2×20円=1,000円 月額合計 2,900円
やはり30秒20円の通話料のことを考えるとあまりお得ではないですね。
となると、G-Callや楽天でんわが使えるかどうかが問題です。

あるいはこんな使い途

たとえば、2年前にドコモで購入したXiスマートフォンがあるとします。
2年前に買ったスマートフォンはまだ使えるので、使い慣れた機種を使い続けるものとします。
もうすぐ2年縛りが切れます。月々サポートも切れます。
ドコモの回線を使い続けたいが、毎月の費用はなるべく抑えたい。
(以下、価格はすべて税抜です。数字の丸め誤差はご容赦を)

そのまま2年間ドコモで契約を継続する場合の2年間の固定費。
タイプXi にねん 743円×24月=17,832円
SPモード 300円×24月=7,200円
Xiパケ・ホーダイ ライト 4,700円×24月=112,800円 合計 137,832円

契約満了月の翌月にIIJmioにポートアウトする場合の2年間の固定費。
MNP転出手数料 2,000円
初期費用 3,000円
IIJmio ファミリーシェアプラン 3,560円×24月=85,440円 合計 90,440円

データ通信の通信量はドコモが3GB、IIJmioは高速3GB、低速は使い放題で、かつSIMは3枚です。
固定費は5万円近く安くなるにもかかわらず、データ通信はIIJmioの方が使いやすくなり、しかも契約期間縛りはドコモ2年に対してIIJmioは1年だけです。

問題は変動費、通話料金がどうなるかです。
毎月、ドコモの携帯を持つ家族に対して65分、ドコモ以外に対して25分通話する場合を想定してみます。
そのまま2年間ドコモで契約を継続する場合。
Xiカケホーダイ 667円×24月=16,008円
通話料 従量制 25分×2×20円×24月=24,000円 合計40,008円
IIJmioにポートアウトする場合。
通話料 従量制 90分×2×20円×24月=86,400円
固定費と変動費を合わせると、ドコモが177,840円、IIJmioが176,840円と、あまり変わりません。
三者課金サービスやLINE電話の利用の可否など、流動的な部分もありますが、誰にどの程度かけるのかを見極めてからでないと、IIJmioに移っても料金はたいして安くならないということになりそうです。