周回遅れの日記

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「hi-ho LTE typeD」の音声通話対応SIM

hi-hoも音声通話対応SIMカードをはじめるようです。
※本稿では、明記がない場合の価格は税抜価格です。税込の場合は(税込)と書いています。

ドコモでは、将来的には「カケホーダイ&パケあえる」の新プラン]が強制されることになろうかと思われます。FOMAFOMA廃止まで既存プランも併存すると思われますが、Xiでは、2014年9月以降に音声有りの回線の新規契約を行う場合は、「カケホーダイ」の高額な国内通話定額制が強制されてしまいます。
国内通話定額制までは要らない、従量制課金で良いけどドコモの回線で通話したい人にとっては、今後は、ドコモから提供を受けるMVNOの音声通話プランが代替先となるとと思います。特に、発信はあまりしないけれど着信は確実に受けたいという人、auやSBではつながりにくいエリアで使う人にとっては有力な選択肢になるのではないでしょうか。

前置きが長くなりましたが、hi-hoの音声通話プランです。

株式会社ハイホー(本社:東京都千代田区代表取締役社長:小林弘一)が運営するインターネットサービスプロバイダー hi-ho(ハイホー)は、「hi-ho LTE typeDシリーズ」で「音声通話対応SIMカード」の提供を2014年4月14日から開始いたします。

hi-ho、「hi-ho LTE typeDシリーズ」で「音声通話対応SIMカード」の提供を開始

hi-hoは今ではIIJグループで、「hi-ho LTE typeD」もIIJOEMです。
IIJでもmio高速モバイル/Dを提供しています。

「hi-ho LTE typeD」は、SIMカードを3枚使えるプランが低価格で提供されているのが特徴です。

データ通信専用の「hi-ho LTE typeD アソート」コースを選択すると、月間1,409円で、月1GBの高速通信をシェアするSIMカードを3枚使うことができます。SIM1枚あたり税込で500円ちょっとです。IIJmioで同様にSIMを3枚使おうとすると、月間2,764.8円(税込)のファミリーシェアプランを契約しなければならないので、大幅な値上げになってしまいます。ただし、利用可能な高速通信はアソートが1GBなのに対し、IIJmioのファミリーシェアプランは3GBあります。したがって、hi-hoのアソートは、月3GBも使わないけれど、SIMは3枚欲しいといった人に向いているコースです。
また、hi-hoのアソートは一年縛りがあり、一年以内の解約には解約手数料5,000円がかかる点は注意が必要です。

この「hi-ho LTE typeD アソート」でも、音声通話対応SIMカードが利用できるようになりました。

hi-hoアソートとIIJmioのファミリーシェアを比較する

IIJでも「みおふぉん」と称する音声通話機能付SIMを提供しています。
音声通話機能も料金も、IIJとほぼ同じようです。SIM1枚につき1,000円の音声通話対応SIM料金が追加されます。アソートコースを利用する場合、必ずしもSIM3枚すべてを音声通話対応SIMにする必要はなく、SIM3枚のうち1枚を音声通話対応SIMとし残り2枚をデータ通信専用SIMにする、といった形も可能です。

音声通話SIMは1枚だけで、残り2枚をデータ通信専用SIM(SMSなし)にする場合、「hi-ho LTE typeD アソート」の月額料金は2,409円です。同様の構成でIIJmioのファミリーシェアプランを契約した場合の月額料金は3,844.8円(税込)です。したがって、hi-hoのアソートコースの方がかなり安くなります。
なお、hi-hoのアソートコースはデータ通信専用プランでも一年縛りがあるのがネックですが、音声通話SIMを利用する場合は、IIJでも一年以内の解約においては違約金(解約音声通話機能解除調定金)が発生します。したがって、一年以上の利用を前提に契約する必要があるのはIIJmioとhi-ho、どっちも同じです。

また、SIM3枚すべてを音声通話SIMにする場合、「hi-ho LTE typeD アソート」の月額料金は4,409円*1なのに対し、IIJmioのファミリーシェアプランでは6004.8円*2(税込)です。
やはり、hi-hoのアソートコースの方が安いのですが… 音声通話SIM1枚+データ通信専用SIM2枚という場合は、一人が複数のモバイルデバイスを使い分ける場合だと思われ、この場合はhi-hoのアソートコースの高速通信月1GBでも足りてしまうことも多いと思います。
でも、音声通話SIM3枚というのは、3人家族が1枚ずつのSIMを使うといった用途だと思います。そうすると、3人で月1GBでは足らない可能性が高いのではないでしょうか。hi-hoは高速通信/低速通信の切替機能があるので、200kbpsの低速通信をうまく使えばなんとかなるかもしれませんが、3人全員ともスマホ慣れしていないと破綻してしまうおそれがあります。

なお、hi-hoのアソートの上位コースとして高速通信月3GBの「ファミリーシェアコース」があるのですが、これは4/30までのキャンペーン価格で月額2,838円と、なぜか本家IIJmioのファミリーシェアプラン(税込月額2,764.8円)よりも高く設定されています。したがって、hi-hoのファミリーシェアを選ぶなら、本家のIIJmioのファミリーシェアを選んだ方がよいと思われます。

hi-hoアソートとドコモ新プランを比較する

家族3人で、3人が各1枚ずつの音声通話対応SIMを利用する場合、節約狙いでhi-hoのアソートを利用する場合と、ドコモの新プラン、「カケホーダイ&パケあえる」を比較してみます。

前述のように、「hi-ho LTE typeD アソート」でSIM3枚すべてを音声通話SIMにする場合、月額料金は4,409円です。このほかに通話料金が、家族間の通話も含め完全従量制で30秒20円かかります(ファミ割りグループ内無料/割引のようなものはありません)。家族内の連絡にはなるべく通話料金がかからないよう、メッセージアプリや無料通話アプリを使うことになろうかと思われます。

一方、ドコモの新プランではどうでしょう。
ドコモの提示するモデルケースを、3人家族(うち1人が25歳未満)で3人ともスマホを利用するように修正するとこうなります。
カケホーダイプラン(音声有り)(スマホ/タブ) 2,700円 ×3= 8,100円
SPモード 300円 ×3= 900円
シェアパック10 9,500円 ×1= 9,500円
家族向けシェアオプション 500円 ×2= 1,000円
ずっとドコモ割 -1,000円 ×1= -1,000円
U25応援割 -500円 ×1= -500円
合計18,000円です。固定費だけの比較ではhi-hoアソートの4倍以上かかってしまいます。
でも、価格差がある分サービス内容にも大きな差があります。

ドコモのモデルケースでは、家族外で各人がそれぞれ月1,500円分(月37.5分)の通話をするものと想定しています。
ドコモの新プランでは、国内通話完全無料ですから、これがすべて基本料金に含まれますが、hi-hoアソートではすべて従量制で課金されるうえ、これに加えて家族内の通話も課金対象になってしまいます。家族内の通話に関しては無料通話アプリを使ったり工夫して安く済ませることもできますが、次に述べるデータ通信量の少なさがネックになってうまくいかないかもしれません。

データ通信量は、ドコモの新プランでは月10GB+お子さんのU25応援割で1GB、合計11GBの高速通信を使うことができます。
hi-hoアソートでは、高速通信で使えるのは月1GBしかありません。
もっとも、高速/低速の切替ができるので、、200kbpsの低速通信をうまく使えばなんとかやり繰りがつくかもしれませんが、そのためには3人全員がスマホ慣れしていないと厳しいのではないかと思います。

また、hi-hoアソートでは、ドコモが提供しているさまざまな付帯サービスも利用できなくなる点も注意が必要です。特にキャリアメールを継続して使えない点は要注意です。

家族3人でhi-hoアソート、やってやれないことはないとは思いますが、かなり難易度は高いと思います。
もしやれるなら、かなりリテラシーの高い家族ということになりますね。

*1:1409+1000+1000+1000円。

*2:2764.8+1080+1080+1080円。