周回遅れの日記

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MM総研のMVNO市場調査レポート

「国内MVNO市場規模の推移・予測」というレポートがMM総研から出ました。
概要は無料で公開されています。

■ 2013年度末(14年3月)時点のMVNO回線契約数は前年度比42.7%増の1,480万
■ MNO(移動通信キャリア)でもあるMVNOの回線占有率が50%を超える
■ 独自サービス型SIMの回線契約数は173万回線で、モバイル市場全体でのシェアは1.1%
■ 2016年度の市場規模は3,240万回線、7,680億円と予測
MVNOサービスの認知度は25.2%、一方「格安SIM」の認知度は55.7%に上る

国内MVNO市場規模の推移・予測 « ニュースリリース | 株式会社MM総研

4月に発表された総務省のデータでは、13年末のMVNO契約数は1,375万でしたが、13年度末で1,480万とそれより100万ほど多くなっています。
MVNOサービスの利用動向に関するデータ - 周回遅れの日記
「MNOでもあるMVNO」が50%超というのも同じ。

狭い意味での「MVNO」、要するに格安SIMなどと言われる個人向けの独立型SIMカード型サービスの回線契約数は、4月に発表された総務省のデータでは13年末で約138万でした。13年度末で173万ということは約35万件ほど増えたことになります。

予測では、16年度末の契約回線数を3,240万回線としていますが、個人向けの独立型サービスは一割程度とすると300万。三割くらいまでを占めるとしても1,000万に届かないくらい。うーん、そんなもんかな。

事業者別シェア順位

事業者シェアを見ると、1位はOCNモバイルONEを提供するNTTコミュニケーションズ。次いで、IIJmio SIM・BIC SIM等を提供するインターネットイニシアティブb-mobileブランドを提供する日本通信BIGLOBE LTE・3G/ほぼスマホを提供するビッグローブとなる。4事業者のシェア合計は、独自サービス型SIMの過半数に達する。

国内MVNO市場規模の推移・予測 « ニュースリリース | 株式会社MM総研

事業者シェアの順位のグラフを見ると、OCNモバイルONEのNTTコミュニケーションズが首位になっています。

MMD研究所が5月に出した調査と比べると、IIJmioIIJが一位でしたが逆転しています。
また、MMD研究所のデータでは日本通信BIGLOBEはほぼ拮抗していましたが、MM総研のレポートでは日本通信BIGLOBEにはかなり差がついています。
2014年4月携帯端末購入に関する定点調査
MVNOのシェア1位は? - 周回遅れの日記
OCNモバイルONEは、13年2月にかなり強烈なキャッシュバック付きの販促キャンペーンをやっていたため、その関係で首位になったのかな、という気もするのですが…

…MM総研の方の順位のグラフ、よく見ると「MM総研調査による推定値」とありますね。
生データそのものの順位ではない、ということでしょう。「格安/低価格SIMをスマートフォンに挿している人(有効回答数388件)」とありますので、この程度の標本数では統計的に信頼性に乏しいと判断したということでしょうか。
IIJを首位にしたMMD研究所の方も、(N=219)ですから似たり寄ったりではあるのですが。
何をもって「シェア」とするのかも難しいところですね。