周回遅れの日記

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ちょっと憂鬱な決済方法の未来形

米eBay子会社のPayPalは9日、財布、カード、スマートフォンに手を触れることなく、店舗に入るだけで支払いを完了できる新決済システム「PayPal Beacon」を発表した。
具体的には、行きつけのカフェに入ると店員から名前で挨拶され、注文しなくてもいつもの商品がテーブルに置かれる。飲み終わると店員に挨拶をして店を出るだけで自動的に決済が完了している、というイメージだ。

米PayPal“支払い方法の未来形”、「PayPal Beacon」を発表

たとえば、よく昼食を取りに行く定食屋さんでこういうサービスが使えると非常に便利だ。
昼食時はとにかく時間がないことが多いからだ。店舗側も食べる方も、時間と手間を節約するメリットが非常に高い。フロア担当者がなかなか注文を取りに来ないとか、会計のレジの前で長蛇の列ができるとかでいらいらさせられることがなくなる。

そういうメリットはありがたいなあと思うと同時に、ちょっと憂鬱な予感もしてくる。
このPayPal Beaconというのは、当該店舗を何度も利用していて、店舗との間に信頼関係が構築されているのを前提にしたシステムだ。
でも、店舗の側はおそらく、PayPal Beaconの自店舗での利用を許可するとクーポン○○円とか、コーヒーおかわり無料とかいった形でPayPal Beacon利用を勧誘してくる。
それにつられて、初めて利用する店舗でもいきなりPayPal Beaconの利用を許可してしまう人が多数出てくるだろう。
そしてそういうお友達からお誘いを受けるわけだ。
「今日、●●という店に行くとビール飲み放題だからさ、行こうよ!」
それに応じて店舗に行くと、飲み放題はPayPal Beacon利用許可が条件です、と言われる。でも見るからに怪しい店舗で、私はここでサインレス決済なんて許可したくはない。でもお友達は何のちゅうちょもなく、自分のスマホで利用許可を出してしまう。さあ、どうしよう?
まあそういうお友達をもってしまうのが一番いけないんだけどさ。