MP3のサイズを減らす
私はあんまり音楽を聴かない方で、オーディオマニアではない。
(ゆえに専門的な、正確な情報を求めている方はこれ以上読む価値はない)
だがしかし、ときどき若いころに聴いていた曲が無性に聴きたくなることがあって、その症状が継続している間(だいたい1週間くらい?)は音楽を流しながら移動したり作業している。
で、今、音楽聴きたい病が発症中。
移動中には、スマートフォン(P-01D)か、モバイルルーターのMicroSDカードにコピーしたMP3ファイルをイヤホンで聴いているのだが、このMP3ファイルが結構場所を取っている。
32GBの容量のうち10GB近くをMP3ファイルが占めている。これは手持ちのPC内のファイルのバックアップという意義もあるけれども、でもバックアップの手段は他にあるし、それに一番使用頻度の高い(=壊れやすい)ところはバックアップには向かない。
それに、あまり音質にこだわる方でもないし、視聴環境も劣悪なのでわざわざ高音質のものを入れておくメリットはない。音質を落としてサイズを減らしてMicroSDHCカードの空きを増やそうと思う。
というか、できれば32GBのカードを16GBに変えたいと思っているのだが、それが可能かどうかは、この音楽関係ファイルを大幅に削減できるか否かにかかっている。
現状を確認する
現状、手持ちのMP3ファイルがどうなっているのかをまず確認する。
…実は、音楽にあまり関心がない分、リッピングの設定などを今まで確認したことが無かった。単にリッピングソフトの既定の設定をそのまま使っていただけで、意識して「こういう設定でリッピングしている」などとは、ここ10数年間一度も考えたことが無かった。
調べてみると、うちのMP3は、だいたいアルバム一枚あたり「40〜60MB」のものと、「100〜120MB前後」の二種類あることが分かった。
時期的には、前者が2008年以前、後者が2009年以降にリッピングされている。これはリッピングに用いたソフトが変わったせい、だと思う。2008年までは、PCにプリインストールされていたリッピングソフト(たしか、JustSystemのBeatJamだったと思う)。2009年以降はCdexを使ってリッピングしている。いずれも、特に設定をいじらずに使っていた。
そして、WindowsのエクスプローラでMP3ファイルのプロパティを確認すると、前者の「アルバム一枚あたり40〜60MB」のもののビットレートはすべて「128kbps」であった。一方、後者の「アルバム一枚あたり100〜120MB前後」のもののビットレートは、196kbps〜234kbpsとわりと幅があった。
そうか、音質が全然違うものだったのか。
恥ずかしながら今まで全然気がつかなかった。
ちょうど、時期的にHDDの容量が大きくなったせいで、リッピングしたファイルの容量に無頓着になっていたのだろうと思う。たしかに、HDDの容量からすれば、アルバム一枚120MBあっても何の問題もない。
でも、容量に制限のあるMicroSDHCカードではそうはいかない。
今まで、PC内のMP3カードを無頓着にMicroSDHCカードにそのままコピーしていたが、浅はかであった。幸か不幸か、私の耳では128kbpsでも200kbpsでも聞き分けられないようなので、わざわざ200kbpsでリッピングした重いファイル使う必要はない。ファイル容量が半分になるなら、全部128kbpsに合わせてしまおうか。
と思ったが、いろいろ検索していると、「音質にこだわらないなら64kbpsでも十分」という記述があったりして、もっと削れるなら削ってみようかという気がしてきた。
調べてみる
いろいろ条件を変えてリッピングし直してみることにする。
128kbpsで許容可能なことはすでに分かっているので、96kbps、64kbpsに落とせるかどうかを確認する。比較用に最高の320kbpsでもリッピングしてみる。
それと、固定ビットレートと可変ビットレート、どう違うのか調べてもよく分からないので、両方をリッピングし直して調べてみる。
手持ちのCDから、ある曲をCdexでリッピングしてみる。
まず比較用に、「preset fast standard 」(従来のデフォルト設定)でリッピング。
品質:Normal(q=5)で、固定ビットレート(VBRメソッドをDisabled )で、320、128、96、64kbpsでリッピング。
品質:Normal(q=5)で、可変ビットレート(VBRメソッド:VBR-New VBR品質 VBR-2)で、ビットレートの下限64kbps、上限320kbpsでリッピング。
品質:Normal(q=5)で、可変ビットレート(VBRメソッド:VBR-New VBR品質 VBR-2)で、ビットレートの下限64kbps、上限128kbpsでリッピング。
品質:Normal(q=5)で、可変ビットレート(VBRメソッド:VBR-New VBR品質 VBR-2)で、ビットレートの下限64kbps、上限96kbpsでリッピング。
リッピングしたファイルのサイズは以下の通り。
固定/可変 | 固定kbps | 下限kbps | 上限kbps | サイズ(KB) |
---|---|---|---|---|
固定 | 320 | 10671 | ||
固定 | 128 | 4271 | ||
固定 | 96 | 3204 | ||
固定 | 64 | 2138 | ||
可変 | 64 | 320 | 6462 | |
可変 | 64 | 128 | 4232 | |
可変 | 64 | 96 | 3180 |
なお、既定値の「preset fast standard 」でリッピングしたサイズは6464KBであった。
へえ、結構変わるもんだね、という感じである。
MicroSDHCカードの中身をのぞくと、一曲10MBを超えるような曲が結構入っている。これを2MBとか3MBとかに減らすことができれば、結構な容量の節約になる。
PCのモニターの内蔵スピーカーから聴いた感じでは、64kbps固定の2MBのファイルでも、特に音が割れるとか聞き取れないとかいったことはないように思える*1。
これを明日、電車の中でイヤホンで聴いてみて、違いが分かるか、分かるとして我慢できる温室かどうか確認してみる。
ついでにLAMEを更新
MP3のエンコーダをアップデートしておく方がいいそうなので(それも今まで知らなかった)lame3.99.5.zipをダウンロードして、解凍したlame_enc.dllを、C:\Program Files (x86)\CDex\lame_enc.dllに上書きして置き換える。
エンコーダ「Lame MP3 Encoder(バージョン 1.32,エンジン 3.99 MMX)にアップデートされた。
*1:繰り返しになるが、これは私の耳と聴取環境が悪いから許容できるのだと思う。静かな部屋で高いアンプとスピーカーで聴く本当のオーディオファンの方ならきっと「こんなのダメだ」ということになるのだろう