周回遅れの日記

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radikoで全国の放送が聴ける!ので心配です

radikoの有料サービスで、全国の放送を聴けるようになるそうです。
ちょっと心配です。

株式会社radikoは、「radiko.jp」で配信中のラジオを日本全国で聴取可能にする有料サービス「radiko.jpプレミアム(エリアフリー聴取)」を4月1日に開始すると発表した。

radiko.jp、全国の放送が聴ける月額350円の有料サービスを4月開始 -INTERNET Watch Watch

インターネット経由でラジオ番組を聴けるサービス、radiko、従来は都道府県単位で聴ける局がエリア内に制限されていたのですが、月額350円の有料会員となることで、全国の60局が聴取可能になるそうです。
ラジオファンの方には良いニュースですね。
年度代わりで、就職や進学で故郷を離れる方も多いと思いますが、慣れ親しんだ地元ローカルの番組を引っ越し先でも聴き続けることができるようになります。対応局であれば。

料金は月額350円(税抜)、登録月無料(ドコモ決済では登録月に解約した場合は無料にならない)。
明記がありませんが、たぶんいったん解約して再度登録しようとしても登録月無料にはならないのでしょう。

月間契約だけのようですが、思ったんですけど半年間継続を条件に「6ヶ月間前払で1,200円」のような形のお得なプランはできないでしょうか。プロ野球の好きな人の中にはシーズン中だけ、自分の住んでいる地域では放送されない試合をエリア外聴取で聴きたいけど、シーズンオフにはエリア外の聴取なんて全然しないって人も結構多いと思うんです。たとえば、私とか。
他にも、聴取エリアは隣県までに限定されるけど月額100円で済むプランとか、あるいは西日本限定で月額200円で済むプランとか… いろいろ思いつきましたが、でもこれは一律料金にしないと問題が出るんでしょうね、たぶん。

心配なこと

ちょっと心配なのは、かつて行われたという、razikoのようなサードパーティのアプリのブロックがまた行われるのではないかということです。
エリア内だけしか聴取できないという不満に対処するために、ある意味「黙認」されてきたサードパーティのアプリですが、公式にエリア外聴取が可能となったことで、エリア外聴取を可能にするものについてはブロックの大義名分を得たことになります。
とはいえ、この手のサードパーティのアプリがradikoの普及に一定の役割を果たしてきたのも事実だと思います。その功績も考慮して、なんとか今までどおり使えるようにしていただきたいものですが…

ていうか地域判定といっても結構アバウトで、VPNの関係だと思いますが、うちの自宅の無線LANradiko公式アプリを開くと、ときどき県外に飛ばされてしまいます(北海道に飛ばされることが多い)。エリア外聴取を可能にするものはダメだというなら厳密に言えば公式だってダメじゃん、とか思ったりもする。

ローカル局の保護も必要だと思う

正直なところ、エリア外聴取制限は利用者側からみて非常にうざったいものなのですが、でもこれを正面からとっぱらってしまうと、一部の人気局に聴取者が集中して、不人気の局は誰も聴かない、結果不人気の局には広告料が集まらず経営が立ちゆかない… という問題が生じてしまいます。まあTBSラジオとかニッポン放送とか文化放送とかのうち一つくらい消えたところで誰も困りはしませんが、ローカル局が消滅してしまう地域が生じるのは望ましくないと思います。
自由競争経済において敗者を退場させるのは当然のことではありますが、ことメディアに関しては、地域ごとの多様性を確保する必要があります。全国レベルでは取り上げるほどの事件ではないがローカルでは大きな関心を集めている事柄は、ローカル局が消えたら取り上げられにくくなってしまいます。最近大きな災害が続きましたが、「全国では関心は低いけど地元では大変な災害」のニュースの取り上げられ方に不満を持った方は多いのではないでしょうか。

広告料の配分が問題ということであれば、全国どこの局を聴取しても、聴取者の居住地域のローカル局に一定の収入が配分されるようにすれば良いのではないか。
と思いましたがそうするとローカル局モラルハザードがあるから無理っぽいな。それに、お金の配分にかかわる問題ですから、聴取者がどこにいるのかを厳密に確定する必要がありますがそれも技術的に難しそう。

なんとかうまい解決策はないものでしょうか。

神宮球場で行われているヤクルト阪神戦を東京都内でラジオで聴こうとしても、遠く関西のABCやMBSを聴かなければならないことがあります。イニングの合間に流れてくるCMは関西ローカルのCM*1ばっかりで、東京の聴取者にとっては無意味です。ある意味、完全にタダで聴取している状態です。ここで、東京の聴取者向けに流す分についてだけ広告を差し替えて、東京の広告主から取った広告を流すことができればいくばくかの収入になって、結果的に野球中継の質の改善になって聴取者の利益にもなると思うのですが…

(追記)大事なことを見逃していた

pdfのプレスリリースにはすごく重要なことが書いてありました。

radiko.jp プレミアム(エリアフリー聴取)』概要
内容:
radiko.jp」の配信エリアの枠を超え、「radiko.jp」に参加しているラジオ局を全国各地
どこにいても聴くことができるサービス
(一部の放送局と特定のタレント出演番組やスポーツ中継など一部の番組を除く)

「一部の放送局と特定のタレント出演番組スポーツ中継など一部の番組を除く」という重要な注意書きがありました。
たとえば、プロ野球中継なんかは除外かもしれませんね。
何が除外されるのか明らかにならないと、契約するのは不安ですね。
まあそのためにも登録月無料があるわけですけれども。

記事を書き終えた後に一番大事なことに気づくと非常に悲しいです。

*1:だじゃれで営業する大阪信用金庫の外回り営業のCMとか、石川梨華さんが出てくるパチンコ屋とか。関東ではまったく聴かないのである意味新鮮ではある。