ドコモ新料金プランについて
「カケホーダイ&パケあえる」と称するドコモの新料金プランについて、思ったことを適当に書きます。
株式会社NTTドコモ(以下ドコモ)は、国内の音声通話を定額とし、パケット通信のデータ通信量を家族間・同一法人間等で分け合える新たな料金プラン「カケホーダイ&パケあえるTM」と長期ご利用者向けの割引サービス「ずっとドコモ割」や25歳以下のお客さまが割引対象となる「U25応援割TM」を2014年6月1日(日曜)から提供いたします。
報道発表資料 : 新たな料金プランおよび割引サービスを提供開始 | お知らせ | NTTドコモ
国内通話が定額でかけ放題、パケットシェア、長期契約者向けのパケットパック割引など。
新料金プランのご説明はこちらへ。
新プランですが、音声通話有りの場合、通話料金が従量制となるプランが用意されていない、というのが大きな特徴です。通話定額制の分基本料金は高めに設定されており、「カケホーダイ」を享受できる人は良いのですが、そうではない人の場合、新プランでは料金は値上げになってしまう場合があります。
(本稿では、断りのない限り価格は税抜価格です)
タイプシンプルSSで二台持ちだった人の場合
ドコモの設定しているモデルケースは一世帯四人家族の場合ですが、そうではなく、単身世帯である場合を想定してみます。
一台目の携帯として、もっぱら通話用としてドコモのiモードケータイ(ガラケー、フィーチャーフォン)を使い、料金プランはタイプSSバリューで、キャリアメール維持のためSPモードも契約しています。
二台目として、機種変したスマートフォンを使い、モバイルデータ通信専用のMVNOのSIMを挿して使っています。ネット接続はもっぱらスマートフォンを利用し、無料通話アプリを利用できる場合はスマートフォンから通話するようにしています。無料通話アプリを利用できない場合はiモードケータイから発信しますが、通話料金はタイプSSバリューの無料通話分に収まるようにしています。
プラン | 金額 | 備考 |
---|---|---|
タイプSSバリュー | 934円 | FOMA既存プラン、無料通話25分含む |
SPモード | 300円 | FOMA既存プラン、キャリアメール維持のため |
MVNOデータSIM | 1,000円 | 月1GBの高速通信 |
合計 | 2,234円 |
この人が、ドコモ新プランに変更するとどうなるか。
プラン | 金額 | 備考 |
---|---|---|
カケホーダイプラン(ケータイ) | 2,200円 | 新プラン、国内通話無料 |
SPモード | 300円 | キャリアメール維持のため |
MVNOデータSIM | 1,000円 | 月1GBの高速通信 |
合計 | 3,500円 |
ということで、1,266円の値上げになってしまいます。
従来は月間25分までは無料、月間25分以上は30秒20円だったので、値上げの1,266円は1,266÷20÷2=31.65分間の通話時間に相当します。通話時間がこれを下回るようであれば、新プランにするメリットはないということになります。
なお、月間25分以上の通話を30秒10円の第三者課金サービス(楽天でんわ、G-Callなど)を使うようにしていた場合は、損益分岐点はもっと高くなりますね。
ただし、料金面でメリットが無くても、いろいろな通話サービスを使い分ける煩わしさを避けて、通話を単純に一元化できるのは労力を削減できて楽です。この点に料金以上の価値を見いだすなら新プランに変更するのも良いでしょう。
新プランにするメリットがない場合は、現在のプランを継続することになるでしょう。
FOMAについては、新プランと平行して既存プランも継続するそうです。
既存プランの扱い
報道発表資料 : 新たな料金プランおよび割引サービスを提供開始 | お知らせ | NTTドコモ
Xiの既存プランおよび既存プランに関連する割引サービスについては、2014年8月末をもって新規受付を終了します。(FOMAの既存プランについては、引き続き新規のご契約が可能です)
タイプシンプルバリューでメール使いホーダイの人の場合
ほとんど通話をしない人のケースを考えます。
メール専用機として、ドコモのiモードケータイ(ガラケー、フィーチャーフォン)を使い続けている人の場合です。料金プランはタイプシンプルバリューです。通話は待受専門ですが、通話をしない代わりに、ファミ割グループ外の相手とiモードメールを頻繁に送受信しています。相手の都合もあり、iモードメールから他のメールサービスに変更することができません。
プラン | 金額 | 備考 |
---|---|---|
タイプシンプルバリュー | 734円 | FOMA既存プラン、無料通話なし |
パケホーダイ・シンプル | 0円 | FOMA既存プラン |
iモード | 300円 | FOMA既存プラン |
合計 | 1,034円 |
この人が、ドコモ新プランに変更するとどうなるか。
プラン | 金額 | 備考 |
---|---|---|
カケホーダイプラン(ケータイ) | 2,200円 | 新プラン、国内通話無料 |
iモード | 300円 | |
データSパック | 3,500円 | 月2GBの高速通信 |
合計 | 6,000円 |
既存プランだと、タイプシンプルバリュー+パケホーダイ・シンプルの契約で、「メール使いホーダイ」が適用されるので、ファミ割グループ外を含めすべてのiモードメールが無料でした。しかし、新プランでは「メール使いホーダイ」がありません。したがって、パケットパックに加入しないと、0.08円/パケットの従量制の料金が課金され、しかも青天井で上限料金が無くパケ死のおそれがあります。パケットパックに加入するとなれば大幅な値上げです。
こういうケースでは、新プランに転換する意味はあまり見いだせません。
このケースでもやはり、既存プランの契約を継続することになると思われます。
XiでタイプXiにねんだけの場合
タイプXiにねんだけ、という回線は結構多いと思います。
プラン | 金額 | 備考 |
---|---|---|
タイプXiにねん | 734円 | Xi既存プラン、無料通話なし |
合計 | 734円 |
基本料金だけしか払わない回線です。たいていはMNP転入時の割引などを効かせて、基本料金すらも払わない(ユニバーサル料金のみ払う)で回線だけ維持する形になっていると思います。
新プランでは、こういった形でほとんど支払いをすることなく回線を維持するのは難しくなっています。
(月々サポート大盛りがあれば別ですが、今後はもう無いのでは?)
利用実態のない回線は要らないし、増やすつもりはないということだと思います。招かれざる客ということですね。
現在、Xiでこういう契約の回線は、そのままXiの既存プランを継続することができます。
しかし、現在FOMA契約で、次にXiに機種変更を予定している回線の場合は注意が必要だと思います。
Xiの既存プランは8月末日で新規受付を終了してしまうからです。
既存プランの扱い
報道発表資料 : 新たな料金プランおよび割引サービスを提供開始 | お知らせ | NTTドコモ
Xiの既存プランおよび既存プランに関連する割引サービスについては、2014年8月末をもって新規受付を終了します。
基本料金のみで契約する場合、8月末までに機種変すれば、Xi既存プランのタイプXiにねんで月額734円で済みますが、9月以降の機種変であれば、新プランのカケホーダイプラン(スマホ/タブ)で月額2,700円と大幅に値上げになってしまいます。
Xiにするなら8月中、8月中にXiにしないなら巻き取られるまでFOMAという選択をすることになるのではないでしょうか。