周回遅れの日記

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ヤフオク!で実費以上の送料請求が禁止行為に追加

ヤフオク!で、落札者に対する請求額について、3月3日から禁止行為が追加されることが発表されました。
実費以上の送料を請求が禁止されたのが一番大きいですね。
たとえば。
ちっぽけなMicroSDカードを「開始価格1円、送料全国一律1,500円、代引き手数料500円」という条件で出品すると、開始価格の1円しか見ないうっかりさんが「1円なら安い!」と考えて入札してしまいます。1円で落札できたと思って喜んでいると、翌日セールスドライバーのお兄さんに代引きで2,001円を請求されて「だまされた!」と憤るのですが、送料については商品説明に明記されていますから泣き寝入りするしかない…
そういう悪質な出品に対する対策ということになろうかと思います。

落札額の1,000円未満の場合のシステム手数料の値上げにもかかわります。
ヤフオク!で1,000円未満の商品のシステム利用料が値上げに - 周回遅れの日記
ヤフオク!のシステム利用料改定、例外カテゴリが追加される - 周回遅れの日記

ご利用にあたっての注意改定のお知らせ
これ、出品者は必読です。
分かりやすくまとまっているので私の記事を読むより↑のソースを読むだけで足りると思う…
もともと、「社会通念上不適切な」費用を請求することは禁止されていましたが、何が「社会通念上不適切」なのか明確さを欠く点があったため、その点を明確にしたということですね。

落札者に請求できる金額は?

【改定ルール】
以下の料金以外の料金(システム利用料、消費税、梱包料、手数料、その他等の名目を問いません)を落札者に求めることを禁止します。
(1) 落札代金
(2) 送料
(3) 返品・交換する際の送料および返金手数料
(4) 不動産および二輪を含む自動車車体のみ、取得にかかる諸費用および税などの法定費用
落札代金以外の上記の料金は、商品説明に明記してください。

ご利用にあたっての注意改定のお知らせ

請求できるのは以上の4点に限られることになりました。

問題になりそうなのが、落札商品にさらに一定の追加の加工などを施して発送するケースです。
たとえば、中古スマートフォン本体の出品の際に「プラス3,000円でSIMロック解除します」みたいなやつ。
こういうのは違反申告される可能性があるので、SIMロック解除を別の商品として出品する必要があろうかと思います。

「送料」として請求できる金額

送料を請求する場合は、以下の範囲内の金額としてください。
(1) 運送業者に委託する場合、運賃および代金引換手数料、速達、書留、冷凍、冷蔵等の運送業者に支払うオプションサービスの手数料の実費のみ。代金引換手数料や、運送業者に支払うオプションサービスの手数料を送料に含む場合は、その旨と含まれる料金の名目および内訳の金額を商品説明に明記してください。
(2) 自らお客様の元へ配送する場合および物流代行業者等に業務委託する場合、運送業者に委託した場合の運賃相当額を上回らない金額

ご利用にあたっての注意改定のお知らせ

実費のみ、それも運送業者に支払う実費のみです。
梱包費用、手数料などは実費であっても請求はできません。
もし必要なら開始価格に上乗せして出品すること、とされています(Q&A)。

配送手段の明記が必要

運送業者に委託する場合、送料が運送業者等へ支払う運賃等の実費額以内であることが確認できるよう、利用予定の運送業者名や配送サービス名等を明示してください。

ご利用にあたっての注意改定のお知らせ

単に「宅配便」とだけ記載した場合はアウトだと思われます。
「一番安い方法で送ります」「落札者さんのご希望に応じます」もダメですね。

送料が分からない場合

落札者に対して落札価格とは別に送料を請求する場合は、あらかじめ商品説明で送料の額を明示してください。
商品を運送業者等へ持ち込むまで実際の送料が判明しない場合は、その旨と運送業者等の運賃表等を参考に目安となる送料の額を示してください。

ご利用にあたっての注意改定のお知らせ

「送料の額を明示」ですから、原則形は「レターパックライトで送るので、送料は360円です」といった金額の明示をするのが原則的な形ということになります。

金額を明示できないケースもあります。一番典型的なのが、宅急便など発送先によって送料が変動するケースで、落札者が誰なのか確定するまでは発送先も不確定ですから、金額を明示しようがありません。
この場合は、場合には「送料が未定であること」「目安となる送料の額」を示せばよいとのこと。
前者については、「送料は発送先の都道府県によって異なります」と一言書き加える必要がありますね。
後者については、配送方法を明記(「はこBOON 2kg以下で送ります」)した上で料金表を貼り付けるのが原則的な形かと思いますが、リンクを貼るだけでも足りると思います。

梱包してみないとサイズが分からない、重量が分からないというケースはしばしばありますが。

Q 自宅では重さを量れないため、運送業者に持ち込むまで実際の送料がわかりません。
A 商品を運送業者等へ持ち込むまで実際の送料が判明しない場合は、商品説明にその旨を明記してください。また、利用予定の運送業者等の運賃表等を参考に目安となる送料の額を表示してください。

ご利用にあたっての注意改定のお知らせ

「目安となる送料の額」とは具体的にどういうことなのか、いまいち明確ではありません。
「送料は梱包してみないと分かりませんが、商品をエアキャップでぐるぐる巻きにして、段ボール箱に入れてゆうパック(料金表はこちら)で発送します」
「送料は郵便局の窓口に持ち込まないと分かりませんが、A4サイズの封筒に入れてゆうメールで発送します。料金表はこちら
こんな記述で大丈夫でしょうか?
「目安」となる料金表は示していることになりますが…ちょっと微妙。

おそらく料金表だけではなくて、料金表に当てはめるべきデータ(「縦50cm×横20cm×高さ100cmです」とか「本体だけで1.5キログラムあります」とか)もある程度記述しないとダメなんじゃないかって気もするんですが、でもデータをちゃんと書ける場合は送料も明記できるんですよね。問題はデータが取れない場合なので…

出品者の資料保存義務

送料について当社が要求する場合、配送伝票や領収書、または運送業者や物流代行業者等との契約書の写し等、送料の表示が本ルールに基いて適切あることを客観的に説明できる資料を遅滞なく提出してください。
(「適切ある」は原文ママ

ご利用にあたっての注意改定のお知らせ

出品時には送料が分からないのでとりあえず多めに請求しておこう、と多めの送料を請求していると、落札者からのクレームをうけたヤフオク!運営から領収書などを求められる可能性があるということですね。
ひええ。

「全国一律○○円」のルール

Q 送料は一律で設定しています。出品者が損をする場合もあれば得になる場合もありますが、全体では送料で利益がでるわけではありません。問題ないでしょうか?
A いいえ、違反になります。
落札者にとっては、出品者側の全体のバランスは個別のオークションおよび取引においては無関係なことから、オークション毎にかかる実際の送料額以内である必要があります。

ご利用にあたっての注意改定のお知らせ

オークション毎にかかる実際の送料額以内である必要がある、ということはつまり、一番安い額を基準に一律に送料を設定するの構わない、ということになります。
たとえば東京発のゆうぱっく60サイズで発送する場合は、一番安い東京都→東京都を基準に「全国一律610円」で出品するのは禁止行為に抵触しません。もちろん、そんな条件で出品する人はいないと思いますが…

同梱の場合

Q 同一のオークションで複数個を同じ落札者が落札した場合、送料実費とは別に同梱する手数料を請求しても問題ないでしょうか?
A 同一のオークション内で複数個出品する場合はあらかじめ複数個落札される場合も想定されることから、別に手数料等を請求することはできません。

ご利用にあたっての注意改定のお知らせ

同一のオークションで複数個出品する場合、「同梱手数料」は請求できないとのこと。
この場合は、商品説明で「1個の場合は60サイズ、2〜3個は80サイズ、4〜6個は100サイズ…」といった形で複数個を落札した場合の送料も明示しておけばよい、ということだと思います。

異なるオークションで落札された複数商品を同梱する場合について明記がありませんが、実費の範囲内である限りは、それぞれのオークションで明記された送料を合算して請求して差し支えないものと思われます。

出品者の対策としては

トラブルに巻き込まれないための無難な対策としては、送料設定に迷ったら低めに設定して、その分開始価格に上乗せするということになろうかと思います。その究極の形が「送料無料」での出品ということですね。
送料はシステム利用料の課金対象ではありませんが、商品価格に上乗せするとシステム利用料の課金対象になりますから実質システム利用料の値上げという側面も…

あとは、着払いの活用も考えられます。
禁止行為の改定ルールは「出品者が落札者に送料を請求する」場合についての規定なので、着払いの場合には適用されないものと思われます。したがって、「ゆうパック着払いで発送します」といった形でサイズを明記しない場合も大丈夫ではないでしょうか。
「60サイズだと思っていたのに実際はでっかい120サイズの段ボールで届いてびっくり」といった話も時々耳にするので、本当は着払いの場合についても禁止行為に明示すべきと思いますが…