周回遅れの日記

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ニフティの会員数の推移

なんか富士通ニフティを手放しちゃうみたいな報道がありますね。

富士通は、IT(情報技術)システムが中核事業。関係者によると、富士通グループ内でのネット接続事業の位置づけを見直しており、売却も選択肢として検討する方針。

富士通はニフティ売却を検討、ネット接続の業界再編も=関係者

ニフティは1986年、富士通日商岩井(現・双日 (2768.T: 株価, ニュース, レポート))が共同で設立。2006年12月に東証2部に上場した。14年3月期の売上高は720億円(13年3月期は794億円)、営業利益は50億円(同56億円)の計画。13年12月末の有料接続会員数は151万人で、ピークである10年3月末の186万人から減少傾向にある。

富士通はニフティ売却を検討、ネット接続の業界再編も=関係者

興味があったのでニフティの会員数推移を調べてみました。
ソースはニフティのIR資料から。

  04/3 05/3 06/3 07/3 08/3 09/3 10/3 11/3 12/3 13/3 14/3
 H16  H17  H18  H19  H20  H21  H22  H23  H24  H25  H26
BB会員総数  85  107  138  165  168  179  186  183  174  157  
うちFTTH   9  22  51  83  96  112  123  125  120  111  
うちADSL  67  76  77  71  60  53  47  38  30  24  
うちCATV   9   9  10  11  12  14  15  20  15  13  
うちモバイル   1   5   9   9  
会員総数 528 530 518 588 755 908 1,043 1,136 1,170 1,047  

(単位万人、04/3は2004年3月末、「BB会員総数」は「ブロードバンド会員総数」、09/3まではモバイル会員数はCATVに含まれている)

ニフティの会員数は1,000万を超えておりますが、この会員総数には無料アカウントを取得しただけの会員が多数含まれていると思われます。ISPとしてニフティと契約していたけれど解約後もニフティのメールアドレスだけ維持している、みたいな人も会員総数に含まれているのでしょう。そういった人を除いた、主たる収益源となる接続会員は、会員総数の15%程度です。
FTTH、つまり光ファイバーの契約が増えているうちはADSLの減少を補ってブロードバンド接続会員が増えていたけれど、光の増加が止まった途端に頭打ちになったのが読み取れます。平成22年3月期末のピークの後は、ADSLはもちろん光も減少に転じてしまいました。平成24年3月期末〜平成25年3月期末においては、ADSLがマイナス6万人、CATVがマイナス2万人なのに対し、光はマイナス9万人ですから、光の方が解約数が多いという状態ですね。
ロイターの記事によると、2013年12月末の有料接続会員数は151万人ということですから、今でもこの傾向は変わっていないようです。
平成26年3月期も前年比マイナス10万くらいというところでしょうか。

まあ個人向けのFTTH接続会員数が増えることはもうないでしょう。
光が必要な人はもう契約してるし、光が要らない人にとっては高速無線通信の方が利便性が高いですからね。今さらながら思いますが、「光の道」で全世帯に光ファイバーを敷くなんて実行しなくて良かったなあと思います。*1
基地局をつなぐ光はまだまだ拡充が必要だという話もありますけれども、各世帯までのラストワンマイルというか、最後の100メートルに関してはもう勝負がついている感じです。

光が減っている分、モバイル会員が増えてくれれば良いのですが、あんまり伸びていないようです。
イー・モバイルWimaxから提供を受けたのをやってますけど、Niftyから申し込む正規料金だとどうしても割高感が否めません。価格コム等経由で申し込むとキャッシュバック大盛りなのでそれなりに人気があるようですが、でもそういうユーザーはCBを受け取ったらすぐ他社に乗り換えちゃうでしょうから、あんまり収益にはならないのではないでしょうかね。

ビッグローブみたいにドコモからのMVNOでSIMを売ればいいのになあ。
と、Niftyユーザーでありながら、IIJmioやOCNモバイルONEと契約している私は常々思っていましたが、富士通は個人向けスマートフォンから撤退しないようなので、富士通がドコモ向けのスマホを作りつつ、同時に子会社のニフティMVNOのSIMを売るのは難しかったのかもしれません。そうだとすれば、今後ニフティが独立系でやっていくなら、ニフティMVNOに参入することもあり得るのかなあとも思います。
そんな感じで、富士通とのしがらみが切れることで自由に事業展開ができるようになる、のかもしれません。

(追記)すいませんニフティもドコモのMVNOSIMカードだけのレンタルやってましたね。
あんまり聞かないからやってないかと思ってたんですよう。すいません。

そういえば、いまだに量販店とかで富士通のパソコンを買うと、ニフティの加入がセットになっていたりするのでしょうかね。最近パソコン売り場なんて行かないから全然分かりません。
ふと思いましたが、私が最後にパソコン売り場に足を運んだのはいつだろう。私は基本的にはパソコン派でありまして、「スマホがあればパソコン要らない」なんてとんでもないと思ってますけど、量販店等のパソコン売り場に足を運んで「へえ、富士通の新しいビブロはこんな感じなんだ」なんてことはずいぶん長いことやってないですね。
まあともかく、富士通が個人向けのパソコンを続けるにしても、いまどきニフティ光ファイバー契約とセットで売るような時代ではないだろうとは思います。

*1:かつてソフトバンクの主張していたB案を支持していたことがあるのは私の消したい過去の一つ。まあ「ホントにできるならB案の方がいいよね」という消極的な支持ではあったのですが。