周回遅れの日記

はてなダイアリーから移転

FP2級の試験について

2級ファイナンシャルプランニング技能士試験のネタはこれが最後です。

来年1級を受けるかもしれない…受ける可能性はまだ残っているけれども、たぶん終了。AFPも取らないような気がする。
となるとFPのお勉強は終了か。
いやホントは取って終わりじゃなくて継続学習しなくちゃいけないみたいですが
最後に、試験勉強で思ったこととかをいくつか。

最初に過去問を解く

2級を受ける場合、最初は自分の現在位置を確認するために、過去問からはじめるのが良かった、と思う。
本を買う前に過去問を。
1月に受ける人なら9月の試験の問題だけでも解いてみるべき。

知識が足らないのか、知識はあるけど問題を解けないのか、知識はあるけど作業が苦手なのか。
知識があっても、漠然と雑学レベルの知識があるだけなのか。基礎知識はどの程度確実に抑えられているか。
今の仕事と無関係な分野でどのくらい戦えるか。不動産と相続は強いけど社保年金は全然ダメ、等等。

まず自分の現在位置を知らないと、頑張って勉強しても無駄に時間を使っちゃうだけです。

学科の合格点は60%ではない

FP2級は、60問中36点取れれば合格という試験ですが、実質的には50問36点取れれば合格、という試験だと考えるべきです。
やたらと試験範囲が広いですから、ある程度捨て問が出てくるのはやむを得ません。
10問までは捨てられると考えるべき。
そして、残りの50問中72%(決して高い数字ではありません)正解すれば合格点の36点に達します。
(4沢ですから、捨て問からも10問中2問は確率的に正答できるはずで、そういう意味では34点取れればよいとも言える)

学科に関する限りは、穴があってもカバーできます。
だから学科だけ受ける人は、苦手なところ、面倒なところは丸ごと捨ててしまうという戦術もあり。
たとえば年金以外の社会保険(雇用健康介護労災)は勉強しないとか、タックスプランニングのうち法人税は勉強しないとか。
ただし、実技に関しては、穴があると大量失点して不合格になっちゃう可能性があるわけですが・・・

浮世絵の★はあてにならない

きんざいの学科問題集、通称浮世絵の話。
私は10’〜11’年版を古本で買いましたが、最新版はこちらです。

浮世絵には黒い★がついている。
三段階評価で★★★、★★、★。
これ、★★★は簡単な問題だからしっかり復習する、★は難しいからスルーする、というものだと最初は考えていたが、違うんですね。
ちゃんと説明に「各問題のテーマの実際の試験での出題頻度を三段階で表したもの」と書いてある。
つまり、その問題の難易度ではないし、その問題の出題頻度でもない。
その問題の属するテーマの出題頻度を意味しているに過ぎないのであります。

だから、★★★なのにやたらと難しいことを聞いてくる問題もあれば、逆に★なのに非常に簡単で、正答率の非常に高いと思われる落としてはいけない問題もある。
★★★の問題で出題されていた事項だからこれは覚えなくちゃいけないんだ、なんてことはないんですよ。

浮世絵の使い方

問題を解く練習をした方がいい人と、特にやらなくてもいい人がいると思います。
自分がどっちなのかは最初に過去問を解いて各自見極めてもらうとして。
問題演習をした方がよい場合、一番ベストなのは、過去5年分の過去問を平成23年4月1日基準で作り直して論点別に再構成したもの。
あんまり各社のFP試験書籍を読み比べたりしてないんで、ぴったり該当するものがあるのか分かりませんが、もしそういうものがあればそれを買うのが一番良いと思います。

きんざいの学科問題集、浮世絵は過去問ではないです。
が、過去問の肢そのままも多いし、法令基準日に合わせてあるし(私の場合は古い本を使ったので去年の法令基準日だったけど)、だいたい過去問を5年分くらいやるのとほぼ同じ効果があるんじゃないかと思います。

浮世絵は難しいか?

一般には、浮世絵は過去問より難しい、と言われているらしい。私はそうでもないと思う。

不適切なものを選べ。
1) やたらと難しくてよく分からん
2) やたらと難しくてよく分からん
3) やたらと難しくてよく分からん
4) 誰にでも間違いだとすぐに分かる

学科試験ではこのパターンの、簡単な4)さえきちんと覚えていれば正解できてしまう問題が多いのですが、浮世絵はこの傾向がさらに顕著です。ダミーの1)〜3)の記述は本当に細かい、辟易とするような難しいことが聞かれていて、4)は非常に簡単なことしか聞かれていない。ダミーに惑わされる人は浮世絵を難しいと感じてしまうのでしょうが、正解を出すのはむしろ本試験より簡単なことが多いように思います。
まぁもともと落とすための試験ではないので、4)の非常に基礎的なことだけ正確に覚えていれば合格点が取れる試験なのですが、それを非常に強調しているように作られている感があります。
そういう意味では、ダミーを見抜く訓練には浮世絵は最適です。知識はあるはずなのに解けない、あるいは時間が足りなくて、2時間じゃとても終わらない、なんて人は浮世絵をやり込むのをお勧めしたい。
逆に言うと、そういうテクニカルなことは十分身につけている人には浮世絵は無駄です。

あと、上でも書いたけど、浮世絵に載っているダミーのやたら難しい知識は覚える必要はないです。
覚える必要があるのは4)だけ。1)〜3)はふーんそうなんだ、という程度でスルーすればよろしい。
難しい知識を身につけるための問題集ではありません。難しい問題を簡単に解く練習をするための問題集です。

実技の浮世絵

私は学科の浮世絵は必ずしもやる必要はなかったと思いますが、実技の浮世絵はやらないとダメだったと思う。
実技用の問題集ってあんまりないんですよね。
実技まで手が回らない人が多いので、需要がないのかもしれませんが。
他社のものと比べてないので評価はできませんが、まぁ、私には大いに役に立ちました。
一問一答一冊と実技の浮世絵だけでも合格できたかなぁ。

さくいん

FP試験は高等雑学試験とも呼ばれるように、雑学レベルの浅い理解で足りるけれども、試験範囲はめちゃくちゃに広いのです。
とにかく話があちこちに飛ぶので、どの話がどこに載っているのか、最初のうちはさっぱり分からない。テキストのどこに書いてあるのか探すだけで一苦労です。
そんなときに、役に立つのが索引。
索引がない、あるいは索引の項目が少ないテキストを使ってると苦労します。特に問題を解いて答え合わせをしているときなど、復習の所要時間にもろに響きます。
テキストを選ぶときは索引にも注目してみましょう。

それと、相互参照が容易かどうかも重要です。
たとえば、不動産のところで、住宅ローン減税は税額控除だと書いてある。あれ、所得控除と税額控除って言葉は似てるけど何が違うの?と、特に最初の一周目のころはなりがち。そんなときに、税額控除の説明はタックスプランニングの何ページにありますよ、と親切に書いてあるかどうか。

私が買った、きんざいの教本分冊はこの辺がダメなんですよね。
FP技能検定教本2級〈1分冊〉ライフプランニングと資金計画/リスク管理〈’10~’11年版〉
FP技能検定教本2級〈2分冊〉金融資産運用〈’10~’11年版〉
FP技能検定教本2級〈3分冊〉タックスプランニング〈’10~’11年版〉
FP技能検定教本2級〈4分冊〉相続・事業承継〈’10~’11年版〉
FP技能検定教本2級〈5分冊〉年金・社会保険〈’10~’11年版〉
FP技能検定教本2級〈6分冊〉不動産〈’10~’11年版〉
全部で6冊あるのに、総索引がない。ある言葉について調べるために、六冊分の索引を別々に調べなくちゃいけないのはかなり面倒です。ぜひ第3巻に総索引が欲しい。
*なんで総索引をつけて欲しいのが真ん中の第3巻なのかというと、タックスプランニングの第3巻を一番使うことが多いからです。それと、相互参照も非常に不親切。たとえば、財形についての記述は5巻を除いた5冊にちょこちょこと分散して書かれているのですが、相互参照の配慮は一切ありません。財形住宅積立は6巻何ページを参照、保険型は1巻何ページを参照、一般財形の税制上の扱いは4巻何ページを…と書いてくれれば楽なのに。
教本分冊はいいテキストなのに、この辺がボトルネックで人には勧められません。いい本なのに残念。

最新版を使った方がよいか?

今書店に並んでいるFP試験の書籍は、平成23年7月ころに出版された最新版です。
平成23年版」とか、「11'〜12'年版」等書かれているもの。
効率最優先で、最短学習時間で合格ラインギリギリのところでの合格を狙うなら、文句なしに最新版を使うべきです。

その一方で、古書店ヤフオクには、旧版が手頃なお値段で売っています。私も使った本をヤフオクに(ry
旧版を使ってもそんなに不利になるわけではありません。
そもそも、そんなに正確な知識を問われる試験ではない、ということもあります。
自力で最新版にアップデートするのもそんなに大変ではないです。税制改正大綱を読んだりするのも勉強になります。
ただ、古い本を使っているせいで点を落とすリスクはやっぱり存在します。
私も税制改正等はかなり注意してチェックしていましたが、物価スライド率で古い数字を覚えていたせいで一問落としました。
その一問が命取りになる可能性もあるわけで、無難にやるならやはり最新版を使った方がいい、ということになると思います。